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倉庫/工場向けラックの種類を機能・目的別に解説 前編

工場であっても物流倉庫であっても、大量の部品や資材、商品を保管しておくための倉庫に必ず棚・ラックは付き物。ラックには様々な種類があり、どれだけの物を収納しておけるか、保管効率だけを見て選ぶと作業効率が蔑ろになってしまい、実際の荷卸しやピッキング業務の際に苦労することもあります。

このコラムでは、保管効率はもちろん、運用方法や規模、コスト等ラックの種類ごとの特徴を解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.保管効率も作業効率も改善はラック選びから
  2. 2.ラック選びのポイント
    1. 2.1.パレット保管/バラ保管
    2. 2.2.先入れ先出し/先入れ後出し
    3. 2.3.出し入れの頻度
    4. 2.4.倉庫の規模
    5. 2.5.コスト
  3. 3.実はこんなに種類があるラック製品
  4. 4.パレット保管向けのラック製品
    1. 4.1.パレットラック(重量棚)
    2. 4.2.スライドラック(プッシュバック式ラック)
    3. 4.3.ローラースルーラック
    4. 4.4.ドライブインラック
    5. 4.5.ネスティングラック(ネスティングパレット)
    6. 4.6.電動式移動ラック
    7. 4.7.シャトルランナー®
    8. 4.8.番外編:ドックストック(搬入プラットフォーム用ラック)
  5. 5.まとめ
  6. 6.関連コラム

保管効率も作業効率も改善はラック選びから

物を置いておく・保管する棚というシンプルな役割のラックですが、台車によるスライド機構やローラーコンベアを搭載したもの、電動で棚自体を移動できるもの、半自動で荷物のパレットを運んでくれるものなどそのバリエーションは様々です。

それぞれのラックには向き・不向きがあるため、現場ごとに最適なラックの種類とレイアウトを考えることが保管効率と作業効率の最大化につながります。

ラック選びのポイント

パレット保管/バラ保管

フォークリフトを使って荷卸しをするのか、人がピッキングを行うのかによってパレット保管用のラックにするかバラ保管用のラックにするのかが変わってきます。

前後編の前編にあたるこのコラムではパレット保管向けのラック、後編ではバラ保管向けのラックを紹介していきます。
 
 

先入れ先出し/先入れ後出し

パレット保管のラックの場合、荷物の出し入れの運用方法で導入できるラックの種類とレイアウトも変わってきます。

先入れ先出し
先入れ先出し

先入れ後出し
先入れ後出し

  
先に入れた荷物から取り出す「先入れ先出し」方式と、後から入れたものから取り出していき先に入れたものは後から取り出す「先入れ後出し」方式があり、商品や保管物、管理方法によって指定がある場合はそれぞれ対応できるラックを選ぶ必要があります。
 
 

出し入れの頻度

倉庫に保管した物をどれくらいの頻度で取り出す必要があるかもラック選びにおいて重要なポイントになります。

例えばドライブインラックは比較的低コストで保管効率の良いラックですが、ラックの構造上、奥に保管した物を取り出したい場合は他のラックと比べると時間がかかってしまい、作業効率が落ちてしまう場合があります。
逆に言えば、荷卸しの頻度が少なく大量に保管しておきたい場合は最適のラックと言えます。

このように導入するラックの種類によってフォークリフトの移動量や作業効率が大きく変わってきます。
 
 

倉庫の規模

設置できるラックの高さや奥行きの上限によって最適なラックが変わってくる場合もあるので、倉庫の規模も重要なポイントです。

例えばスライドラック(プッシュバック式ラック)やローラースルーラックなら保管効率と作業効率を同時に改善することができますが、間口ごとの保管パレット数(奥行き)が多くなる場合はコストがかかってしまう上に、奥行きの制限があるため、ラックそのものに特殊な機能が必要ないシャトルランナー®などのソリューションを導入した方が低コストで保管効率と作業効率の最大化を実現できる場合があります。
 
 

コスト

導入するラックの種類をいざ選ぶ際に最も気になるのはコストです。
同じ高密度保管のラックでも、運用面での効率を犠牲にしてでも低予算で実装したい場合はドライブインラック、ある程度予算をかけられる場合は電動式移動ラックで高密度保管と保管物の取り出しやすさを両立させることも可能です。
 
 

実はこんなに種類があるラック製品

ここからはラックごとの長所や特長、どういった現場に向いているかなどを製品ごとに解説します。
 

パレットラックパレットラック(重量棚)
・シンプルな構造で運用が楽
・少量多品種保管向き

スライドラック/プッシュバック式ラックスライドラック
パレットが自動で手前に移動
・大ロット入出庫向け

ローラースルーラックローラースルーラック
・パレットが自動で手前に移動
・同一パレットの大量保管に

ドライブインラックドライブインラック
・高い保管効率
・多量少品種保管向き

ネスティングパレット
・設置/移動が容易で流動倉庫向け
・未使用時は重ねてスペース確保

電動式移動ラック電動式移動ラック
・電動で移動し通路面積削減
・ストック中心の保管型倉庫に

シャトルランナー®
・シャトルがパレットを自動搬送
・パレット同士が衝突しない

 
 

パレット保管向けのラック製品

パレットラック(重量棚)

パレットラック(重量棚)は非常にシンプルな構造の製品で、ラック自体の幅や高さの自由が利くことを活かしてパレット単位での保管と荷卸しが出来るサイズと耐荷重で組まれたラックです。
 
運用に特定のルールは必要なく、保管物にもアクセスしやすいため荷卸しがスムーズなのがメリットですが、レイアウト上は通路が多くなってしまい倉庫内の面積当たりの保管効率には優れないため注意が必要です。
 

先入れ先出し/先入れ後出し:両方対応

保管効率:×
作業効率:〇
 

スライドラック(プッシュバック式ラック)

プッシュバック式ラックとも呼ばれるスライドラックは、キャスターのついた台車が保管したパレットを間口の手前に流してくれる構造のラックです。
 
1間口ごとに複数のパレットを保管できるため通常のパレットラックよりも保管効率が良く、自動的にパレットが手前に流れてくるので作業効率も良いのがメリットです。
 
一方で運用方法は先入れ後出しに限られることや、ラックに傾斜を作り台車を重ねて設置するため、1間口あたりに必要な高さが通常のラックより高くなることに注意が必要です。
 

先入れ先出し/先入れ後出し:先入れ後出しのみ対応
保管効率:〇
作業効率:〇

 
 

ローラースルーラック

ローラースルーラックはローラーコンベアによって保管するパレットを1方向に流してくれる構造のラックです。スライドラックと違い、入庫時とは反対側にパレットを流すことが可能なので、先入れ先出しと先入れ後出しの両方に対応することができます。
 

スライドラック同様保管効率・作業効率ともに良いのがメリットですが、導入時の注意点もいくつかあります。

  • パレットの重さによってローラーコンベアの傾斜を決めるため、保管物の種類が多い現場では対応できない場合がある
  • 使用しているパレットの種類や状態によって、ローラーコンベアが上手く稼働しない場合がある
  • スライドラック同様、傾斜を作るため1間口あたりの高さが必要になる場合がある
  • 奥行きに限度があるため、1間口あたりの保管可能なパレット数に上限がある
  • パレット同士が衝突するため、振動に弱い商品の保管には不向き(オプションパーツで緩和可能)
 

先入れ先出し/先入れ後出し:両方対応

保管効率:〇
作業効率:〇
 
 
 

ドライブインラック

ドライブインラックは「キャンチアーム」と呼ばれる部分でパレットの両端を支える構造になっており、荷物が入っていない状態では一見支柱だけが立っているように見えるのが特徴的なラックです。
この構造のおかげでフォークが直接ラックの奥へと入っていくことが可能で、通路が必要ないため高密度保管が可能になります。
 
コストも抑えられるのが魅力ですが、一方で保管したパレットを取り出すのに時間がかかってしまうため、保管物の出し入れの頻度が高い現場には向かない製品になります。
 

先入れ先出し/先入れ後出し:先入れ後出しのみ対応
保管効率:〇
作業効率:×

 
 

ネスティングラック(ネスティングパレット)

ネスティングラックは1パレット分ごとに分かれているラックを積み重ねて使用するラックで、自由に移動させたり、使用しない時は重ねて置いておくことができるため、時期によって必要な保管容量が違ったり、レイアウトを適宜変えたい現場にオススメです。

用途・レイアウトによって、「逆ネス」と呼ばれる通常の逆さ向きに設置するタイプも選択可能です。
 
保管効率自体は通常のパレットラックと変わらないので、面積あたりの保管量を増やしたい場合は他のラック製品を検討した方が良いかもしれません。
 

先入れ先出し/先入れ後出し:両方対応
保管効率:×
作業効率:〇

 
 
 

電動式移動ラック

電動式移動ラックはラック自体を自動で移動させることができ、都度任意の場所に通路スペースができるため、高密度保管を可能にしながら取り出したい保管物にもアクセスしやすいのが特徴です。
 
運用面で融通が利く分保管物の種類が多い場合でも対応可能なのが特徴ですが、1度に作業できるフォークリフトの台数は限られてしまうので、時間効率は必ずしも最適とは言えないため、入出庫の頻度が高い現場には向かない可能性があります。
 

先入れ先出し/先入れ後出し:両方対応
保管効率:〇
作業効率:△

 
 
 

シャトルランナー®

シャトルランナー®は、ラックの上をシャトルが前後に移動し、入庫の際は奥に、出庫の際は手前に自動でパレットを運んでくれる製品です。
 

高密度保管が可能で使い勝手自体はローラースルーラックに近いですが、他のラックにはない様々な利点や特徴があります。

  • レール以外にラック自体に特殊な機構を追加する必要がないため、規模が大きい場合に費用が抑えやすい
  • 設計上、1間口あたりの保管パレット数に上限がない
  • パレット同士の衝突の心配がない
  • フォークリフトの移動が最小限で済むため作業効率が良い
  • フォークの台数分用意することで同時に稼働・素早い出荷作業が可能に
  • クラウド型WMS(倉庫管理システム)のZaicom®と連携し、在庫管理が容易に
  • 内臓バッテリーで稼働するため、停電などの緊急時にも使用が可能

連続出庫モードに設定することで一度ラックにシャトルをセットすれば自動でパレットを手前(出庫側)に運び続けてくれるため、パレットごとに操作をする手間は必要ありません。

レイアウトや運用面でも対応できる範囲が広く、様々な現場で保管効率と作業効率の改善への貢献が期待できます。

 

先入れ先出し/先入れ後出し:両方対応
保管効率:〇
作業効率:〇

 
 
 

番外編:ドックストック(搬入プラットフォーム用ラック)

ドックストックは倉庫内の保管用ラックとは違い、トラックが着車するプラットフォームにラックを設置し荷物の仮置き場にすることで入庫をスムーズにするための製品です。

ウイング車からの荷下ろし・倉庫への搬入の際、一度すべての荷物をトラックから降ろしてから搬入作業を行うことが多いですが、その際にトラックバースを仮置きの荷物が占拠してしまい、トラックが着車するスペースがなくなる問題を解消します。
 
上部空間を活用することでトラックバース側から倉庫内にパレットを受け渡すためのスペースが増えるため、荷下ろし・搬入の作業をスムーズに行うことが可能です。
 
 
 

まとめ

一口に倉庫・工場向けのラックと言っても非常に多くの種類があり、現場で取り扱っている商品・保管物の種類や、入庫・出庫の頻度によって適したラックは変わってきます。
 
また、それぞれのラック製品は耐震や安全対策として落下防止・衝突防止用のオプションの取り付けが可能なものもあります。

  
ジャロックではお客様のニーズをヒアリングし、現場に合ったラック製品をレイアウトや運用方法、オプションなども含めてトータルでご提案させていただきます。
詳しくは下記のフォームよりお問い合わせください。


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