catch-img

アマゾンジャパンも導入した「ドックシェルター」とは?導入効果と価格感、プロが教える賢い代替設備の選び方

トラックと入出庫口の隙間を埋める気密装置「ドックシェルター」。近年、物流業界における倉庫や工場の環境改善が急務となる中、注目が集まっている製品のひとつです。

 
本コラムでは、ドックシェルターの基本的な定義から、具体的な導入メリット、気になる価格相場、そして予算に合わなかった場合の代替ソリューションまでを徹底的に解説します

 

ドックシェルターとは?

ドックシェルター

 

ドックシェルターとは、工場や倉庫の搬入口にトラックやコンテナが接車した際、建物と車両の間にできる隙間を物理的に塞ぐための気密装置のことです。

ドックシェルターが導入されたプラットフォームでは、トラックが搬入口に停まった際にシェルター内部のカーテンが作動し、外気の侵入を完全に遮断した状態で荷台を開き入出庫作業を行うことができます。これにより、屋外の雨風やホコリが庫内に流入することや、庫内で空調された空気が屋外へ流出することを物理的に防ぎます。

 

大手ECサイトも導入して注目

2025年度省エネ大賞の【省エネ事例部門】において、アマゾンジャパン合同会社が、三菱地所株式会社などとともに「経済産業大臣賞(ZEB・ZEH分野)」を受賞した取組内容にも「ドックシェルター」が活用されています。

 

この事例では、西日本最大級となる延床面積12.5万平方メートルの新設物流拠点において、一次エネルギー消費量を60%削減(創エネ含め221%削減)し、BELS 6スターのZEB認証を取得するという驚異的な成果を達成しています。その実現には36項目の環境ソリューションが導入されており、ドックシェルターもその中の1つとして事例に大きく取り上げられて関心を集めています。

 

さまざまな種類がある

一概に「ドックシェルター」と言っても、油圧で荷台に密着するタイプ、空気で膨らんで密閉するタイプ(エアシェルター)など様々な種類があります。どのタイプのシェルターが適しているかは現場と導入目的によるため、メーカーなどにご相談ください。

 

ドックシェルターは設置すべき?

ドックシェルターは、現時点では日本国内の法令などで倉庫・工場への設置が明確に義務付けられている設備ではありません。

  

しかし、温度管理や衛生管理の基準が極めて厳しい外資系企業や、厳格な品質管理が求められる食品業界の現場においては、親会社や取引先からの強い要望により導入されるケースが多く見られます。

 

逆に法令上の義務ではないからこそ、ドックシェルターの導入の有無が、その施設の信頼性や環境配慮への姿勢を示す重要な指標となり得ます。

 

ドックシェルターの導入目的

設置義務がないにもかかわらず、多くの現場でドックシェルターが検討され、実際に導入されている目的は、大きく分けて3つあります。

 

①省エネ(空調効率の大幅改善)

トラックが搬入出口に接車するとき、何もない状態では荷台と搬入出口の間に隙間が生まれます。荷積み・荷下ろしの間、この隙間は空きっぱなしになるため、中で冷暖房をかけていた場合、冷やした/暖めた空気が逃げる要因となってしまいます。

  

ドックシェルターでここを密閉すると、空調が外に漏れないためムダな温度変化が減り、空調効率が飛躍的に向上します。これは夏場や冬場の省エネ対策として非常に有効です。

  

前述の省エネ大賞の事例でも、まさにこの高い省エネ効果を目的としてドックシェルターを導入しています。施設内の空調システムが外部からの空気侵入を補うために過剰稼働する必要がなくなるため、大幅な電力コストの削減につながります。

 

②事故防止(安全性の向上)

ドックシェルターで倉庫や工場を気密するということは、中にいる人も内側から外へ物理的に出られなくするということになるため、作業スタッフやフォークリフトがプラットフォーム下に転落するリスクを物理的に排除することができます。

 

単純に転落防止だけでなく、雨天時などにドック内の隙間から雨水や雪が吹き込むことも防ぐため、床が濡れて転倒しやすくなるリスクも減らすことができます。

 

実際にジャロックへ寄せられるご相談の中でも、現場の安全対策や労働環境の改善を起点としてドックシェルターの導入を検討されるケースは増えています。

 

③ 品質管理(品質劣化と異物混入の防止)

特に品質管理に敏感な食品業界や薬品業界などにおいては、ドックシェルターは重要な役割を果たしています。

食品や薬品の中には高温や低温になることで品質が劣化してしまうものがあるため、ドックシェルターを導入して倉庫や工場を気密することで、搬入出タイミングでの極端な温度変化を防いでいます。

また内外の隙間がなくなるため、外からのホコリ、塵、虫、鳥などの侵入を物理的に排除することができます。特に食品工場では異物混入が絶対に許されないので、多くのHACCP工場でドックシェルターが導入されています。

HACCP(ハサップ)…食品の安全性確保のため、原材料受け入れから最終製品の出荷までの全工程で定められた衛生管理の手法。

 
 

ドックシェルターの価格(導入費用の内訳と概算額)

ドックシェルターの導入費用は、本体の製品価格だけでなく施工費用が大きなウェイトを占めます。

 
★施工費用がかかる理由

ドックシェルターの設置に関しては、設置先の壁の建材(既存の壁を改修する必要があるか)、トラック停車エリアの傾斜の有無・傾斜角など、現場の環境によって大きく変動します。また、規格外のサイズのトラックが出入りする現場では、シェルター本体の特注対応や追加改修が必要となり、製品価格が割高になるケースもあります。

また、設置先に既存のドックレベラー(段差解消装置)などがある場合、入出庫の際に連携して展開するなどの活用が可能になります。そのための施工や、メーカーを揃えた入れ替えなどが必要となる場合があるため、それらの費用も合算されます。

 

一般的な物流倉庫に1基設置する分を想定した、2026年時点の費用感は以下のとおりです。

  内容   
ドックシェルター1基+施工費用
(一般的な開口サイズ

 W:1800~3500mm、H:1800~3500mm を想定
使用するトラックサイズに合わせて変動

概算費用
 100~150万円

 

ドックシェルターの代替ソリューション

これまで見てきたようにドックシェルターは非常に有用な設備ですが、高額な導入費用がネックになることも事実です。特に、開口部が多く現在全く気密されていないオープンな倉庫に導入しようとすると、総費用は莫大なものになります。
 

そんな時、立ち返ってほしいのが「なぜドックシェルターを入れたいのか?」という点です。目的は、そしてそれはドックシェルターでないといけないのか…。

ジャロックでも、「ドックシェルターを検討したが、予算が合わず見送った」というお声をよくいただきます。総合物流機器メーカーとして、ジャロックがそんなお客様によくご提案している製品を導入目的別にご紹介します。
 

 

①省エネ目的の代替ソリューション:リボリューションファン

リボリューションファン(HVLSファン)

導入目的が「空調効率の改善や暑さ・寒さ対策」であり、完全な気密化までは必要ないという現場には、大風量低速ファンの「リボリューションファン」がお勧めです。

巨大な羽根で空気を効率的に循環させ、過剰に空調を作動させる必要がなくなるため光熱費を大幅に削減することができます。扇風機50台分の風力効果を持ちながら、ドライヤーと同じくらいの電気代(1時間の消費電力が数十円)という、省エネ効果に優れたソリューションとなっています。

>>リボリューションファン(HVLSファン) 製品ページはこちら

 

②事故防止目的の代替ソリューション:ドックガーディアン

「プラットフォームでの転落事故を防ぎたい」というのが一番の目的であれば、安全バリアシステム「ドックガーディアン」がお勧めです。

トラックの荷台とプラットフォームの間に頑強な柵を設けることで、フォークリフト、ハンドリフト、歩行者の転落を物理的に防ぎます。気密性はありませんが、ドックシェルターを導入して隙間を塞ぐ大掛かりな工事を行うよりも、安価かつダイレクトに確実な安全対策を実施できます。

 

>>ドックガーディアン 製品ページはこちら

 

③費用面で難がある場合の代替ソリューション:ドックシール

ドックシール

「温度管理や防虫・防塵効果を得たい」ものの、費用面でドックシェルターの導入が難しい現場には、簡易版ドックシェルターとも言える「ドックシール」をご提案しています。

ドックシェルターが可動式のカーテンなどでトラックの周囲を囲う構造なのに対し、ドックシールはドッキング時にクッション性の高いパッドがトラックの荷台に直接密着して隙間を塞ぐ構造です。

ドックシールは気密性や耐久性、対応できる荷台サイズではドックシェルターに及ばないものの、本体の製品価格や施工費用がかなり安く済むため、条件が合えば代替の選択肢としてご提案しています。

まとめ

本記事では、省エネ大賞の受賞など注目を集めている「ドックシェルター」について、その機能や効果、価格の考え方、そして代替案について解説しました。

 

ドックシェルターは、省エネ、事故防止、品質管理のすべてにおいて非常に高い効果を発揮する優秀な設備です。しかし、決して安い投資ではないため、自社の抱える最大の課題がどこにあるのかをしっかりと見極めることが重要です。

 

ジャロックでは、お客様の「省エネ」「事故防止」「品質管理」といった目的に対して、ドックシェルターに限らず、ご予算や現場環境を勘案した上で、お客様の課題を解決できる最適なソリューションを総合的にご提案いたします。

 

倉庫や工場の環境改善や安全対策でお悩みの担当者様は、ぜひ一度ジャロックの「お問い合わせフォーム」よりお気軽にご相談ください。

 

★倉庫レイアウト、熱中症対策、物流業務効率化など、60年の実績でトータル対応します

       問い合わせリンク:https://www.jaroc.com/contact    
       電話番号    :0120-70-3810(受付:平日 9時〜18時)

 

★ドックシェルターは実機見学が可能です。見学お申込みはこちらから!

ジャロックショールーム「JTTC TOKYO(埼玉県新座市)」事前予約フォームhttps://www.jaroc.com/about_us/showroom/form

関連コラム

関連するコラムをご紹介いたします。

★ドックシェルターをもっと知りたい方はこちら

関連コラム

カテゴリ一覧

タグ一覧