テーブルリフトは危険!?安全性の高い最新垂直搬送ソリューション事情を解説!
物流倉庫や工場内では、多種多様な物品がせわしなく運ばれています。
その中でも重量物を上方向にに持ち上げたり下方向に降ろしたりする垂直搬送は、力の強い作業員が多数必要な重労働です。
この垂直搬送を人力に頼らず効率的に行うため、多くの事業所が「昇降機」や「リフター」と呼ばれる設備を導入しています。
しかし、古い昇降機やリフター、特に「テーブルリフト(テーブルリフターやシザーリフターと呼ばれることもあります)」の中には重篤事故に繋がる可能性のある危険なものが多く含まれていることをご存知でしょうか?
この記事では「テーブルリフト」の構造と危険性を紹介しつつ、垂直搬送の最新トレンドについてもご紹介します。
目次[非表示]
- 1.テーブルリフトの仕組みと用途
- 2.テーブルリフトの潜在的な事故リスク
- 3.テーブルリフトが現在受けている法規制と利用実態
- 4.垂直搬送ソリューションの最新トレンド
- 4.1.垂直搬送機の構造
- 4.2.垂直搬送機の導入メリット
- 4.3.スライドリフターの特長
- 5.まとめ
テーブルリフトの仕組みと用途
テーブルリフト(テーブルリフター、リフトテーブルとも呼ばれます)は、パンタグラフ構造のアームにシリンダーが据え付けられた構造の昇降機です。
油圧や電気によりシリンダーが生む推力を使いパンタグラフを伸縮させることで、テーブルを上下させる仕組みになっています。
パンタグラフの動きがハサミ(英語で"scissors")に似ていることからシザーリフターやシザーリフトという名前で呼ばれることもあります。
特に油圧式のテーブルリフトは低コストで重量物の垂直搬送ができることから、物流現場ではトラックへの荷物の積み込みや、倉庫内での荷物の上下移動などで良く使用されています。
テーブルリフトの潜在的な事故リスク
しかしテーブルリフトには潜在的な危険性があります。
リフト上での作業中の転落事故や、リフトの急降下による挟まれ事故、不安定な荷物の落下事故など、重大な事故が後を絶ちません。
平成24年には埼玉県でテーブルが1階にある状態で2階昇降口の横開きシャッターを開いてテーブルまで転落して死亡する事故も発生しています。
テーブルリフトが現在受けている法規制と利用実態
現在、このタイプのテーブルリフトは建築基準法における「エレベーター」ならびに労働安全衛生法(クレーン等安全規制)における「簡易リフト」に分類され、厳しく安全性についてチェックを受ける必要があります。
具体的には、カゴ(テーブル)部分を人が乗れないサイズに制限しなければいけなかったり、一定の強度があることを証明しなければいけなかったり、絶対に人がカゴ(テーブル)内に立ち入れない安全装置の据付が義務付けられたり、定期的な点検が必要とされたりします。
しかし導入時期が古いテーブルリフトの中には、安全対策が適切になされないまま現在も使用されているものも多いのが現実です。
実際に発生しているテーブルリフトの重篤事故の大半は、違法な状態で運用されていたことで発生しています。
垂直搬送ソリューションの最新トレンド
ジャロックでも以前はテーブルリフトを取り扱っていましたが、現在は法規制の強化に伴い販売を停止しています。
現在、重量物を安全に垂直搬送したいというお客様の根強いニーズに応えつつ、煩雑な法規制の対象とならないソリューションとして定番とされているのは「垂直搬送機」と一般に呼ばれる設備です。
※ジャロックでは「スライドリフター」という名称で垂直搬送機を販売しています。
垂直搬送機の構造
垂直搬送機は、各フロアの搬入搬出口の手前に運びたい荷物を置くための置場スペースが設けられており、作業員が置場スペース出入口に荷物を運び終えたら“置場スペース出入口のシャッターを締め”垂直搬送機のボタンを押す”と荷物が置場スペースから垂直搬送する昇降路までコンベアへ移動する構造になっています。
つまり「絶対に人が昇降路に立ち入る可能性が無い」構造になっています。
垂直搬送機の導入メリット
昇降機やリフターを建築基準法や労働安全衛生法を遵守して新規に導入しようとしても、建物の構造上不可能だったりコストが高すぎで導入できないというケースは非常に多いです。
これに対して垂直搬送機は前項でも説明したとおり「絶対に人が昇降路に立ち入る可能性が無い」構造のため、わざわざ建築基準法や労働安全衛生法が安全のために規定している各種規制の適用が必要ありません。(※消防法は適応されます)
スライドリフターの特長
ジャロックの垂直搬送機「スライドリフター」は、独自のガイド機構により安定した垂直移動を実現しています。また、過負荷を検知して自動停止する安全装置や、挟まれ防止のためのセーフティバーを標準装備しています。CE規格に準拠した設計・製造により、高い安全性を確保しています。
また、違法状態のテーブルリフトをスライドリフターへ改装した実績も豊富にあります。
スライドリフター(垂直搬送機)については、以下のコラムで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
テーブルリフトには安全面で大きなリスクがあり、特に導入時期が古いものは重篤事故が発生しやすいと言えます。
テーブルリフトの危険性を理解し、スライドリフターのような安全な代替機を導入することで、事故のリスクを減らし円滑な業務運営を実現しましょう。
より詳細な情報が必要な場合は、ぜひ株式会社ジャロックまでお問い合わせください。
皆さまの安全な職場づくりを、全力でサポートいたします。