垂直搬送機とは?仕組み・メリット・選定ポイントなどを解説

2026年4月16日更新

 

垂直搬送機は、工場や倉庫において上下階への搬送の効率化を率化を実現する代表的な設備です。

人の手で受け渡しをする場合、荷物によっては複数人で作業を行うことも多く、転倒や滑落などで作業員がケガをするリスクを伴います。垂直搬送機は昇降機の中でも安全に運用できる点や、既存ラインに組み込みやすい点から、多くの現場で導入されています。

 
本記事では、垂直搬送機の基本構造や用途、導入時のポイントについて、長年垂直搬送機を多数提案・導入してきた視点から分かりやすく解説します。垂直搬送機が自社のニーズに合うかどうか、この記事を参考にどうぞご検討ください。

垂直搬送機とは?基本構造と仕組みを解説

垂直搬送機とは、さまざまな荷物を目的の階層へ搬送するためのマテハン機器のことです。
搬器への荷物の搬入・搬出と垂直移動を自動で行うため、目的の階への搬送がスムーズになり作業効率向上につながります。

 
 

①垂直搬送機の特徴|安全で効率的な搬送を実現

垂直搬送機の特徴は、荷物を搬器へ搬入・搬出するときはトレーまたはコンベヤを使用し、人が直接昇降路に入れない構造となっていることです。いわゆる荷物用エレベーターとは区別できるもので、ほかの上下搬送機器と比べても作業時の安全性が高いというメリットがあります。

 

◆法規面から見た垂直搬送機

垂直搬送においては、機器そのものによる事故が過去に多発しており、国が定める再発防止のための指導や規定は年々変わっています。最近では、2025年11月より建築基準法施行令が改正され、簡易リフトが建築基準法の規制対象外となり、合法化されたことも記憶に新しいです。

  

一般的に「荷物用エレベーター」といわれるマテハン機器は、荷物を搬器へ搬入する際に人が昇降路内へ立ち入って作業する必要があり、設置の際も細かく基準が定められています。

垂直搬送機」に分類される昇降機は、こういった設置基準が少なく、人が乗れない代わりに柔軟な設置がしやすい点が特長です。エレベーターに比べてメンテナンスコストがかからない点も大きなポイントです。

 

 

②垂直搬送機の主な操作方法

垂直搬送機を使って荷物を搬送する際の作業手順は以下のとおりです。
(※手順は一例です。メーカーや機種によって操作は異なります。)

 
 
  1. 垂直搬送機入口のドアを開け、荷物をトレーに置く
  2. トレーからはみ出さずに荷物が積載されているか、目視で確認する
  3. 垂直搬送機入口のドアを閉め、操作パネルの「上昇」ボタンを押す
  4. (荷物を積載したトレーが自動で目的の階へ搬送される)
  5. 目的の階にて、垂直搬送機出口のドアを開け荷物を受け取る
 
 

このように、垂直搬送機は荷物をほぼ自動で目的の階へ搬送します。
作業員の手間を減らすことができるだけでなく、作業者が昇降路内へ入ることができない構造により、事故のリスクを大幅に下げることができます。

 
 

垂直搬送機の種類と選定ポイント

垂直搬送機には、主に以下の3種類のタイプがあります。

種類
構造
特徴
1.トレー式タイプ
トレーがスライドすることで荷物を搬入
カゴ車を固定して搬送可能
2.コンベヤタイプ
コンベヤにより荷物を昇降、搬入する
重量物を搬送可能な機種もある
3.連続タイプ
コンベヤで連続して荷物を垂直移動する
製造ラインと接続が可能

▼トレー式タイプ

トレーやカゴと呼ばれる部分に荷物を積載し、昇降させるタイプです。パレタイズされた荷物だけでなく台車やカートラックなども搬送可能です。

ジャロック』では、トレー式タイプの垂直搬送機として『スライドリフター』を展開しています。

トレー式タイプとコンベヤタイプには、垂直搬送部へ荷物を移動させる手段がトレーであるかコンベヤであるかの違いがあります。

▼コンベヤタイプ

コンベヤタイプは、複数のローラーやチェーンを用いて搬送するものを指し、シンプルな構造で大型の重量物から小型の荷物までさまざまなニーズに対応できます。

▼連続タイプ

連続タイプは、製造ラインから垂直搬送機へコンベヤで接続され、連続して荷物を昇降させるものです。配送センターや工場の製造ラインに接続することで、フロアから上下階にまたがる搬送を自動化し、立体的な搬送ラインを構築するために採用されています。

ジャロック』では、連続タイプの垂直搬送機として『連続垂直搬送機』を展開しています。

選定のポイントは「具体的な運用ベースで考える」こと

垂直搬送機の選定では、搬送物や設置スペースだけでなく、以下も重要な判断基準となります。

 

◆「搬送頻度」「運用方法」と「荷物の重量」
例えば、連続的に荷物を搬送する必要があるのか、一定間隔での昇降で足りるのかによって、適した設備は大きく異なります。

昇降する荷物の重さも重要です。たとえば「フォークリフトの搬送」を目的とする場合は、その重量に対応できる昇降機を採用することで、実現可能となります。

 

◆搬送能力(処理能力)
1時間あたりの搬送量やピーク時の負荷に対応できるかを事前に確認しておかないと、導入後にボトルネックとなる可能性があります。
また、垂直搬送機を製造ラインから接続し立体的な搬送システムを構築したい場合、『スライドリフター』ではなく『連続垂直搬送機』の方が適している場合もございます。

 

◆導入元の対応範囲

垂直搬送機メーカーによって、対応可能な仕様や設計の自由度、アフターサポート体制には差があります。価格だけで判断するのではなく、自社の運用に適した提案ができるかどうかを含めて比較検討することが重要です。

 

≫JAROCのトレー式垂直搬送機「スライドリフター」はこちら

 

垂直搬送機(スライドリフター)を導入するメリット

ここからは、トレー式タイプの垂直搬送機として、弊社の『スライドリフター』を導入するメリットをまとめます。

 

  

トレー式の垂直搬送機『スライドリフター』導入のメリット

 

 ① 安全かつ効率的に目的の階層へ荷物を搬送できる 

 ② 誰にでも操作でき、荷物の破損の心配も少ない  

 ③ 既存の簡易リフトを垂直搬送機へ改装できる   

  

 

①安全かつ効率的に目的の階へ荷物を搬送できる

スライドリフターは搬器への荷物の搬入・搬出を人の手を介さず自動で行います。

昇降路内に立ち入ることができない作業者が搬器と床の間に挟まれたり、荷崩れに巻き込まれたりといった危険はがほとんどありません。
また、トレーに荷物を載せて操作するだけでパレット単位の荷物やカゴ車ごと搬送することができ、荷役作業を大幅に効率化します。

 

②誰にでも操作でき、荷物の破損の心配も少ない

スライドリフターの操作はシンプルで、作業員がボタンを押すと自動で荷物が搬送されます。そのため、経験値に頼ることなく安全に荷物を扱うことができます。

また、荷物のはみ出しや高さ制限をチェックするセンサーを搭載することが可能で、作業員の安全や荷物の破損防止に貢献します。

 

③既存の簡易リフトをスライドリフターへ改造できる

既存の古いリフターをスライドリフターに改装することで、事故のリスクを減らすことができます。

たとえば、昇降路内へ人が立ち入って作業ができてしまう仕様のリフトに、荷物を自動で搬入する設備と防護柵を追加設置し『スライドリフター』とすることで、より安全な運用が可能になります。

 

導入する際の注意点

『スライドリフター(垂直搬送機)』を導入する際の注意点には、以下のものがあります。

 
 

    ①人が乗ることはできない                 

    ②ある程度の設置スペースが必要

 

ひとつずつ解説します。

 

①人が乗ることはできない

スライドリフターは、専ら荷物を搬送するためのマテハン機器です。人が乗って昇降することを想定した設備ではないため、事故防止のためにも絶対にやめましょう。
 

②設置にある程度のスペースが必要

スライドリフターは比較的省スペースでも設置することが可能ですが、それでもある程度のスペースの確保は必要です。
昇降路部分に加えて荷物の搬出入装置のスペースが必要で、さらには使用前後に荷役を行うエリアも確保しなくてはなりません。
また、狭い作業場では避難経路の確保が難しくなるため、導入を検討する際は合わせて確認が重要となります。
 

※場所の確保のため、通常より省スペースで設置が可能な機種もございますので、垂直搬送機をご希望の方は弊社までご相談ください。

  

≫お問い合わせはこちら

スライドリフターの導入事例

 
 

①食品加工工場への導入事例

原料を工場内へ搬入するため、垂直搬送機を導入。

トレー部分にパレットを複数枚セットできる機種を採用したため、搬入作業の効率が改善。

また、工場内へ虫の侵入を防ぐためシートシャッターを設置することができ、品質管理や清潔な作業環境の保全も叶った。

  
 

②自動車ディーラーへの導入事例

年式の古い簡易リフトを使用しており、安全面で対策が必要だったため既存の設備をスライドリフターへと改造し、安全柵を設置。

また、センサーにより人の立ち入りを感知し機械が停止する安全機能も搭載されているため、以前の設備より安全性が大幅に向上した。

  

このように、『スライドリフター』を導入して生産性や安全性の向上につながった事例は製造業や物流倉庫を中心に多数あります。もっと知りたい方は下記リンクや、お問い合わせページにてご相談ください。

 

≫JAROCのトレー式搬送機「スライドリフター」の事例をもっとみる

 


 

垂直搬送機の選定は用途に応じた比較が重要

垂直搬送機の導入を検討する際は、単純な価格比較だけでなく、搬送物・設置スペース・安全性・設置条件などを総合的に判断することが重要です。
メーカーによっても対応範囲には差があるため、複数の観点から比較検討することをおすすめします。

 

ジャロックでは、特定の垂直搬送機メーカーにとらわれない柔軟な提案が可能です。
搬送機単体だけではなく、周辺レイアウトやアフターサービスも含めたサポートも対応可能ですので、自社に最適な仕様や導入可能かどうかなど、気になる点があればジャロックまでお気軽にお問い合わせください。

 

 ★倉庫レイアウト、熱中症対策、物流業務効率化など、60年の実績でトータル対応します

       問い合わせリンク:https://www.jaroc.com/contact    
       電話番号    :0120-70-3810(受付:平日 9時〜18時)

 

 

法改正で簡易リフトの導入が可能に

なお、搬送対象が比較的小型・軽量で、シンプルな昇降用途が中心の場合は「簡易リフト」が適しているケースもあります。
2025年11月の法改正によって従来の簡易リフトが建築基準法の規制対象外になったことで、ジャロックの『Jリフター』をはじめとする昇降機の導入が出来るようになりました。
  
◆スライドリフターとJリフターの違い
 
スライドリフターは人が中に絶対に立ち入らず、荷物だけが搬送される仕組みを作るため、昇降機部分の出入り口の前にコンベアを設置する必要があり、レイアウトや運用スペース、コストの関係で導入を断念されるケースもありました。
 
一方でJリフターは比較的低コストでの導入が可能で、搬送口の前のスペースを占有することもないため、より効率的なレイアウトで運用することが可能です。駆動方式も選択可能で、ピットレスでの導入も対応できます。 
 
 
簡易リフトについては、こちらのコラムをあわせてご確認ください。

 

製品ページはこちらをご確認ください。

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