
【法改正対応版】垂直搬送機とは?メリットや導入時の適用法律などを解説
2025年11月11日更新
配送センターや倉庫、工場などにおいて上下階への搬送が必要となるとき、作業の安全性には十分配慮して行う事が重要です。
人の手で受け渡しをする場合、荷物によっては複数人で作業を行うことも多く、転倒や滑落などで作業員がケガをするリスクを伴います。
その改善のため何らかの搬送機器を導入している現場においても、機器そのものによる事故が過去に多発しており、国が定める再発防止のための指導や規定は年々変わっています。
最近では、2025年11月より建築基準法施行令が改正され、簡易リフトは建築基準法の規制対象外となり、合法化されたことも記憶に新しいです。
垂直搬送機は、その構造から安全性が高く、大切な荷物を効率的に垂直搬送することが可能な搬送装置で、従業員や企業にとって大きなメリットがあります。
今回は、垂直搬送機の特徴やメリット、導入時に確認すべき点を詳しく解説します。垂直搬送機が自社のニーズに合うかどうか、この記事を参考にどうぞご検討ください。
目次[非表示]
垂直搬送機とは?ー特徴や使い方を解説ー
垂直搬送機とは、さまざまな荷物を目的の階層へ搬送するためのマテハン機器のことです。
搬器への荷物の搬入・搬出と垂直移動を自動で行うため、目的の階への搬送がスムーズになり作業効率向上につながります。

①垂直搬送機の特徴
垂直搬送機の特徴は、荷物を搬器へ搬入・搬出するときはトレーまたはコンベヤを使用し、人が直接昇降路に入れない構造となっていることです。
そのため、垂直搬送機はいわゆる荷物用エレベーターとは区別されてきました。
一般的に「荷物用エレベーター」といわれるマテハン機器は、荷物を搬器へ搬入する際に人が昇降路内へ立ち入って作業する必要があり、その点が垂直搬送機と異なります。
一方で、垂直搬送機は作業時の安全性が高いメリットがあります。
②垂直搬送機の使い方
垂直搬送機を使って荷物を搬送する際の作業手順は以下のとおりです。
(手順は一例です。機種によって操作は異なります。)
1. 垂直搬送機入口のドアを開け、荷物をトレーに置く 2. トレーからはみ出さずに荷物が積載されているか、目視で確認する 3. 垂直搬送機入口のドアを閉め、操作パネルの「上昇」ボタンを押す 4. (荷物を積載したトレーが自動で目的の階へ搬送される) 5. 目的の階にて、垂直搬送機出口のドアを開け荷物を受け取る |
このように、垂直搬送機は荷物をほぼ自動で目的の階へ搬送します。
作業員の手間を減らすことができるだけでなく、作業者が昇降路内へ入ることができない構造により、事故のリスクを大幅に下げることができます。
垂直搬送機の種類
垂直搬送機には、主に以下の3種類のタイプがあります。
種類 | 構造 | 特徴 |
|---|---|---|
1.トレー式タイプ | トレーがスライドすることで荷物を搬入 | カゴ車を固定して搬送可能 |
2.コンベヤタイプ | コンベヤにより荷物を昇降、搬入する | 重量物を搬送可能な機種もある |
3.連続タイプ | コンベヤで連続して荷物を垂直移動する | 製造ラインと接続が可能 |
▼トレー式タイプ
トレーやカゴと呼ばれる部分に荷物を積載し、昇降させるタイプです。パレタイズされた荷物だけでなく台車やカートラックなども搬送可能です。
『ジャロック』では、トレー式タイプの垂直搬送機として『スライドリフター』を展開しています。
トレー式タイプとコンベヤタイプには、垂直搬送部へ荷物を移動させる手段がトレーであるかコンベヤであるかの違いがあります。
▼コンベヤタイプ
コンベヤタイプは、複数のローラーやチェーンを用いて搬送するものを指し、シンプルな構造で大型の重量物から小型の荷物までさまざまなニーズに対応できます。
▼連続タイプ
連続タイプは、製造ラインから垂直搬送機へコンベヤで接続され、連続して荷物を昇降させるものです。配送センターや工場の製造ラインに接続することで、フロアから上下階にまたがる搬送を自動化し、立体的な搬送ラインを構築するために採用されています。
『ジャロック』では、連続タイプの垂直搬送機として『連続垂直搬送機』を展開しています。
このように、垂直搬送機には「トレータイプ」「コンベヤタイプ」「連続タイプ 」の3種類のタイプがあり、搬送する荷物の大きさ・重さに合ったタイプを選択できます。
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垂直搬送機(スライドリフター)を導入するメリット

ここからは、トレー式タイプの垂直搬送機として、弊社の『スライドリフター』を導入するメリットをまとめます。
トレー式の垂直搬送機『スライドリフター』導入のメリット ① 安全かつ効率的に目的の階層へ荷物を搬送できる ② 誰にでも操作でき、荷物の破損の心配も少ない ③ 既存の簡易リフトを垂直搬送機へ改装できる |
ひとつずつ解説します。
①安全かつ効率的に目的の階へ荷物を搬送できる
スライドリフターは搬器への荷物の搬入・搬出を人の手を介さず自動で行います。
昇降路内に立ち入ることができない作業者が搬器と床の間に挟まれたり、荷崩れに巻き込まれたりといった危険はがほとんどありません。
また、トレーに荷物を載せて操作するだけでパレット単位の荷物やカゴ車ごと搬送することができ、荷役作業を大幅に効率化します。
②誰にでも操作でき、荷物の破損の心配も少ない
スライドリフターの操作はシンプルで、作業員がボタンを押すと自動で荷物が搬送されます。そのため、経験値に頼ることなく安全に荷物を扱うことができます。
また、荷物のはみ出しや高さ制限をチェックするセンサーを搭載することが可能で、作業員の安全や荷物の破損防止に貢献します。
③既存の簡易リフトをスライドリフターへ改造できる
既存の簡易リフターをスライドリフターに改装することで、事故のリスクを減らすことができます。
たとえば、昇降路内へ人が立ち入って作業ができてしまう仕様の簡易リフトに、荷物を自動で搬入する設備と防護柵を追加設置することで、より安全な運用が可能になります。
このように、スライドリフターを導入することは安全面でメリットがあり、大きな魅力となっています。
導入する際の注意点

『スライドリフター(垂直搬送機)』を導入する際の注意点には、以下のものがあります。
①人が乗ることはできない ②扱う荷物の量・大きさによって導入機種を検討する必要がある ③ある程度の設置スペースが必要 |
ひとつずつ解説します。
①人が乗ることはできない
スライドリフターは、専ら荷物を搬送するためのマテハン機器です。人が乗って昇降することを想定した設備ではないため、事故防止のためにも絶対にやめましょう。
②扱う荷物の量・大きさによって導入機器を検討する必要がある
『スライドリフター』はさまざまな特徴をもった機種があり、導入する際は自社のニーズにあった機能をもつ機種を選択する必要があります。
たとえば「フォークリフトの搬送」を目的とする場合は、その重量に対応できるスライドリフターを採用することで、実現可能となります。
また、垂直搬送機を製造ラインから接続し立体的な搬送システムを構築したい場合、『スライドリフター』ではなく『連続垂直搬送機』の方が適している場合もございます。
ジャロックではお客様から希望の仕様をお聞きしたうえで、細かな要望や条件に合った垂直搬送機をご提案していますので、設置・改造のご相談はぜひ一度弊社までご連絡ください。
③設置にある程度のスペースが必要
スライドリフターは比較的省スペースでも設置することが可能ですが、それでもある程度のスペースの確保は必要です。
昇降路部分に加えて荷物の搬出入装置のスペースが必要で、さらには使用前後に荷役を行うエリアも確保しなくてはなりません。
また、狭い作業場では避難経路の確保が難しくなるため、導入を検討する際は合わせて確認が重要となります。
このように、スライドリフターの導入には注意すべき点がいくつかあります。
間違った方法で使用しないよう、作業員への指導を徹底することが重要です。
また場所の確保のため、トレーへの搬入方向を選べたり、ピットなしにしたりと、省スペースで設置が可能な機種もございますので、垂直搬送機をご希望の方は弊社までご相談ください。
スライドリフターの導入事例

『スライドリフター』を導入して生産性や安全性の向上につながった事例を紹介します。
①食品加工工場への導入事例
原料を工場内へ搬入するため、垂直搬送機を導入。
トレー部分にパレットを複数枚セットできる機種を採用したため、搬入作業の効率が改善。
また、工場内へ虫の侵入を防ぐためシートシャッターを設置することができ、品質管理や清潔な作業環境の保全も叶えている。
②自動車ディーラーへの導入事例
年式の古い簡易リフトを使用しており、安全面で対策が必要だったため既存の設備をスライドリフターへと改造し、安全柵を設置。
また、センサーにより人の立ち入りを感知し機械が停止する安全機能も搭載されているため、以前の設備より安全性が大幅に向上した。

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法改正で簡易リフトの導入が可能に
詳しくは下記製品ページをご確認ください。
取り扱っているリフトの種類や、自社の現場で導入が可能かどうかなど、気になる点がありましたらジャロックまでお気軽にお問い合わせください。







