工場・倉庫の暑さ対策:抑えるべきポイントと効果的な設備とは?
夏場の工場や倉庫は、高温多湿になりやすいため、作業者が深刻な熱中症リスクにさらされることが多く、安全な作業環境の確保が急務です。設備投資を考えるなら、本格的な夏の時期になる前に適切な暑さ対策を講じることが重要です。
今回は、工場や倉庫で作業環境を快適に保つための効果的な熱中症予防策を3つご紹介します。
目次[非表示]
- 1.工場や倉庫作業者特有の熱中症リスク
- 1.1.建屋の構造上のリスク
- 1.2.年齢によるリスク増加
- 1.3.現場の作業環境によるリスク増加
- 1.4.個人の対策では限界がある
- 2.倉庫・工場作業者における効果的な対策3選
- 2.1.スポットクーラーの導入
- 2.2.大型ファンの導入
- 2.3.壁や天井に塗料を塗る
- 3.まとめ
工場や倉庫作業者特有の熱中症リスク
一般的な熱中症対策として挙げられるリスクには様々なものがありますが、現場が工場や倉庫など物流系の建屋の場合、特有のリスクが発生します。
建屋の構造上のリスク
工場や倉庫は一般的に天井が高く、敷地も広いことが多いです。このような建屋では空気が滞留しやすく、特に夏場は空調の冷たい空気が天井付近にとどまり、人のいる作業エリアが冷えにくいという問題があります。
また、十分な空気の流れが得られないため、空調が行き渡らずエリアによって暑いままの空間が残ってしまい、作業者の熱中症リスクが解消されないということになりがちです。
年齢によるリスク増加
工場作業者の年齢層の平均は、40代~50代が多いと言われています。
<参考:厚生労働省「jobtag」工場労務作業員-労働条件の特徴>
中高年の労働者は、若い人と比較して新陳代謝の低下や身体機能の減少により、急激な温度変化に適応しにくいなど熱中症に対するリスクが高い傾向にあります。また、中高年者は一般に若い頃よりも水分の摂取量が不足しがちであり、脱水症状が進みやすい傾向があります。
そのため、適切な冷却手段や定期的な休憩の確保など、より入念な暑さ対策が必要となります。
現場の作業環境によるリスク増加
物流関連の現場は肉体労働が中心で、納品のためスピードが求められる場合も多くあります。
作業者は搬送作業や在庫管理などで体力を消耗し、十分な水分補給や定期的な休憩が難しい状況に陥りがちです。
また、生産工場などでは機械や製造プロセスから発生する熱の影響も考慮が必要です。特殊な作業服や防護具の装着が必要な現場もあるため、更なるリスク要因が加わります。
個人の対策では限界がある
上記の理由で、工場・倉庫は夏には高温多湿になりやすく、何らかの対策をしないと高い熱中症リスクを伴う環境にあると言えます。またこれらは個人の努力で解消できないケースも多いため、従業員の離職の原因にもなりえます。
管理者としては作業者が快適に作業できる空間の確保と、従業員の安全を守るための対策が求められます。
倉庫・工場作業者における効果的な対策3選
では、企業が行う暑さ対策としては実際にどんなものが有効か、以下に解説します。
スポットクーラーの導入
スポットクーラーの導入は、倉庫や工場での暑さ対策に非常に有効な方法の一つです。
特定のエリアを集中的に冷却するために設計されており、熱がこもりやすい作業エリアや、熱中症のリスクが高い場所に設置することで、効果的に作業者の体温上昇を防ぎます。
スポットクーラーは、エアコンのように広範囲を冷やすことはできません。しかし、その分エネルギー効率が高く、必要なところに効率的な冷却が行えます。
そのため、ライン工場など、作業者がその場から大きく動かない現場での導入におすすめです。
スポットクーラーの効果的な運用方法と実例については、以下のコラムもご覧下さい。
大型ファンの導入
もう一つの対策製品として、大型ファン(シーリングファン)が挙げられます。
今や大型ファンが設置されている工場・倉庫も多く、天井が高く空調が効きにくい大型の建屋では必須のアイテムと言えるかもしれません。
スポットクーラーとの違いは広いエリアにわたって使用できることで、作業エリアが広範囲、もしくは建屋全体の暑さ対策をしたい場合におすすめです。
また省エネ性能にも優れており、エアコンのように空気そのものを冷却するのではなく、風を送ることで体感温度を下げる効果があるため、消費電力が抑えられ、コストパフォーマンスが高いことが特長です。
大型ファンの省エネ効果については、以下のコラムもご覧ください。
壁や天井に塗料を塗る
壁や天井に暑さ対策効果のある”断熱塗料”または”遮熱塗料”を塗ることも、倉庫や工場の室温を抑えるための有効な対策です。
断熱塗料は、直射日光による外部からの熱を反射、および内部の温度を保持することで、室内温度の変化を抑えます。夏の暑さだけでなく冬の寒さにも効果があるため、年間を通じて温度管理が必要な場所や寒冷地に適しています。
一方、遮熱塗料は近赤外線を反射して建物の表面温度を下げる効果があり、断熱塗料とは違う仕組みで建屋の気温上昇を抑えます。こちらは暑さ対策にのみ有効ですが、断熱塗料より安価という利点があります。
選ぶ際には、使用目的に応じて最適なほうを選択すると良いでしょう。
また、これらの塗料はスポットクーラーや大型ファンと併用することで、さらに高い効果を発揮します。
ジャロックでは断熱塗料「ガイナ」、遮熱塗料「ミラクール」を取り扱っており、スポットクーラーや大型ファンと合わせてのご提案が可能です。
詳しくはこちらの製品ページをご覧ください。
まとめ
夏場の工場・倉庫は高温多湿になりやすく、企業は一般のオフィスに比べより効果的な暑さ対策が求められます。
上に挙げた様々な暑さ対策を組み合わせることで、倉庫や工場での作業者の熱中症リスクを大幅に低減し、快適で安全な作業環境を提供することが見込めます。導入検討する際はぜひ参考にして下さい。
★トータル提案いたします
ジャロックでは、上記すべてをスポットクーラー、大型ファン、塗料のほか、倉庫ソリューション全般のご提案が可能です。
各製品の導入実績も多く、お客様の環境に合わせて最適な製品をご提案いたしますので、暑さ対策でお悩みの際はお気軽にご相談ください。
問い合わせリンク:https://www.jaroc.com/contact 電話番号 :0120-70-3810(受付:平日 9時〜18時) |