台車作業は改善できる!課題別おすすめ台車【診断チェックあり】
業務用台車は、物流や製造業など多くの産業で欠かせないツールです。
しかし、多少の使いづらさや体への負担は搬送の「あるある」として扱われ、作業に影響が出ていても「改善できる事項」と気づかないまま日々の業務をこなしている現場も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、適切な台車選定のための基礎知識、課題別のおすすめ台車について解説します。
改善点を見つけやすいよう、診断チェックも用意しましたので、ぜひご覧ください。
目次[非表示]
- 1.効率の良い台車の選び方とは?
- 1.1.台車の「種類」を知る
- 1.2.「種類」「価格」だけで選ぶと失敗する?
- 1.2.1.「作業効率の改善」の本質
- 1.2.2.診断チェックで課題を探る
- 2.台車の「機能」を知る - 課題別おすすめ業務用台車
- 3.まとめ
効率の良い台車の選び方とは?
台車には様々な種類があり、形状によって適した用途や作業があります。
作業効率の良い台車を選ぶ際は、まず基礎知識として、主な台車の種類を把握しましょう。選択肢を豊富に持つことで、より最適な台車を選びやすくなります。
台車の「種類」を知る
以下に一般的に国内産業で多く使われている代表的な台車の種類を解説します。
ストッパー付き台車
ストッパー付き台車は、停車時に台車を固定できるため、安全性が高く、荷物の積み降ろし時に役立ちます。特に傾斜のある場所や不安定な場所での作業に最適です。
最近は安全面から必ずストッパー付き台車を使用するよう求められる現場も増えています。
カゴ台車
カゴ台車は、金属製のカゴが付いた台車で、荷物を安全に運搬できるよう設計されています。
小さな荷物や不安定な荷物を一度に多く運べるため、物流倉庫やスーパーマーケットでよく使用されます。カゴの部分は取り外しや折り畳み可能なものもあり、安定性と収納力が特徴です。
平台車
一般的に持ち手の部分がなく、平らな荷台を持つシンプルな形状の台車を指します。
軽量で取り回しがしやすく、狭いスペースでも使いやすいのが特徴です。倉庫や工場、オフィスなど、多岐にわたる現場で使用されています。コストも比較的低く、手軽に導入できます。
折りたたみ台車
折りたたみ台車は持ち運びに便利なことから、イベント会場や配送業者など、移動が多い現場で重宝されています。保管スペースが狭い現場でも有用です。
二段台車
二段台車は荷台が二段に分かれている台車で、荷物を分けて効率的に運搬できます。
軽い荷物と重い荷物を分けて運べるのでバランスが取りやすく、作業効率が向上します。二段構造により運搬回数を減らせる点も利点です。主に倉庫や工場での使用が多く、多様な荷物を扱う際に便利です。
「種類」「価格」だけで選ぶと失敗する?
ここまで前提知識として、日本の主な台車の種類を見てきました。
しかし、「ではこの種類からできるだけ安いもので」と安易に選んでしまうのは危険です。
安い台車=作業効率の良い台車とは限らないためです。
「種類」と「価格」だけを見て「作業効率」を無視してしまうと、新しい台車を購入しても生産性が上がらない、あるいはかえって悪化するといったことになりかねません。
改善を要する場合、それを叶えるだけの「機能」を有した台車が必要となるため、価格だけにとらわれず多角的に判断して選ぶ必要があります。
「作業効率の改善」の本質
「作業効率の改善」とは、「業務に支障のある点を解消すること」です。
この「支障」には、作業員の身体の負担など台車に直接関係ない要素も含まれます。
こういった改善点は、通常、業務上の「あるある」として放置されている事も多いため、課題の掘り起こしが必要です。
まず何が根本的な課題なのか、日々の業務の中から「改善すべき事項」を見つけ、作業の質そのものを改善できるか、という視点が重要になります。
診断チェックで課題を探る
以下に、台車作業時の課題を発見できるよう簡単な診断項目を用意しました。
それぞれの項目で該当するものにチェックをつけ、右の欄のどの数字が一番多いか数えてみましょう。ひとつでもあてはまる場合は作業改善の余地があるといえます。
次章にて、該当する番号の課題を解決できる台車を紹介していますので、ぜひご参考ください。
台車作業見直しチェックリスト
積載物が重く、台車を押すのが大変だと感じる |
① |
走行中、キャスターがハマって動けない箇所がある |
② |
停車時、足でストッパーをかけるのが面倒 |
③ |
走行中の振動が原因で、商品に傷がついたことがある |
② |
片手で荷物を抑えながら台車を押しているときがある |
②⑤ |
脚立と台車を使って物を取っており、移動の際わずらわしいと感じることがある |
④ |
長時間台車を使用する事が多く、疲れる |
①②⑤ |
積載物を一度で全部運べない |
①②③⑤ |
走行中の音が大きく、なるべく平らな面を走行している |
③ |
当てはまるものはないが、作業工程に不便を感じている |
⑤ |
台車の「機能」を知る - 課題別おすすめ業務用台車
改善すべき課題が見つかったら、先に挙げた種類の中で、課題も解決できそうな機能を持った台車を探します。以下に機能別にまとめたのでご覧ください。
合わないかもと感じたら、他の項目もチェックしてみましょう。
電動台車
改善できる作業:重い荷物の運搬や長距離の移動が必要な作業
おすすめの使用シーン:重量物の搬送、女性や高齢者の多い職場、往復や長距離移動の多い現場
重い荷物でも楽に運搬できるため、作業者の負担を大幅に軽減します。速度調整やブレーキ機能があり、安全に操作できる点も魅力です。初期コストは高めですが、長期的に見れば効率的な作業と労力削減によるコスト削減が期待できます。
ジャロックの製品ではアシスト台車が該当します(ストッパー付き・カゴ台車あり)。
アシスト台車についてはこちらのコラムもご覧ください。
クローラー台車
改善できる作業:振動による荷物の破損、オフロード走行時の負担改善
おすすめの使用シーン:精密機器の運搬、凹凸のある道の移動
振動を吸収する機構を持つ台車で、精密機器など壊れやすい製品を運搬する際に最適です。キャスター部分がキャタピラのようなクローラーになっており、路面の凹凸による台車の揺れを最小限にすることで、製品の破損を防ぎ、安全を確保します。
ジャロックの製品ではキャリーランナーNEOが該当します(ストッパー付き・カゴ台車あり)。クローラー台車についてはこちらのコラムもご覧ください。
静音台車
改善できる作業:静かな環境での運搬作業
おすすめの使用シーン:病院や図書館、オフィス内での運搬作業
運搬時の騒音を低減する設計が施された台車です。
音が少ない車輪や特殊な素材を使用しているため、周囲に配慮した運搬が求められる現場で活躍します。
ジャロックの製品では静音台車シリーズが該当します。
特殊機構のドラムブレーキを搭載したタイプは安全面でも有用です。ほか廉価な折り畳みタイプ、携帯タイプなど様々な種類が揃っていますので、以下のリンクからご確認ください。
ピッキング台車
改善できる作業:脚立+台車を伴う移動のわずらわしさ、安全性
おすすめの使用シーン:棚間の移動を伴うピッキング作業
倉庫や物流センターでのピッキング作業に特化した台車です。複数のアイテムを効率よく収集・運搬できるため、作業のスピードと正確性が向上します。種類によってはピッキングしたものを置く台やステップ(階段)が付属しており、ピッキング作業の効率化に貢献できる存在です。
ジャロックの製品ではステップ付きの二段台車であるミニピックランナーが該当します。
ピッキング台車についてはこちらのコラムをご覧ください。
カスタマイズ台車
改善できる作業:生産体制に合わせた備品の用意、規格品以上の効率化
おすすめの使用シーン:製造工場など
上記どれにも当てはまらなかった、あるいは複数の機能をお求めの場合、オリジナル製作による台車の用意が最も効率的かもしれません。
生産工場など、製造品のサイズや規格が変わりやすい現場の場合、都度サイズの合う台車を発注していると手間もかかり、廃棄コストもかかります。
ジャロックではこういったお客様に向けてカスタマイズ台車の製作を承っています。複数の製品を一度で運べる規格の台車が見つからない場合などにも有効です。
オリジナル台車についてはこちらのコラムもご覧ください。
まとめ
台車には様々な種類があり、形状によって適した用途や作業があります。
しかし、「種類」と「価格」のみで台車を選ぶと、多くの問題が生じる可能性があります。
これらを防ぐためには、作業負担の改善や作業環境に応じた「機能」を考慮した総合的な選定が重要です。
適切な台車選びは、作業効率向上だけでなく、作業環境の質を保つためにも不可欠です。本コラムを参考に、台車作業の改善に繋がれば幸いです。
★お困りの際は、ジャロックからのご提案も可能です。お気軽にご連絡下さい。