
重筋作業をなくすには?工場・倉庫の改善と腰痛対策
工場や倉庫では、重量物の持ち上げや運搬、積み替えなど、身体に大きな負担がかかる作業が日常的に行われています。こうした作業は腰痛や労働災害の原因となるだけでなく、人手不足や高齢化への対応という観点からも見直しが求められています。
近年、現場改善のキーワードとして「重筋作業をゼロにする」という考え方が注目されています。これは単に作業者の負担を軽減するだけでなく、「重いものを人の力に頼らず扱える現場づくり」を目指す考え方です。
本記事では、重筋作業の考え方や代表的な作業例、改善の進め方について解説します。
目次[非表示]
- 1.重筋作業とは
- 1.1.なぜ重筋作業をなくす必要があるのか
- 1.2.腰痛対策としても重要
- 2.重量物取扱いに関する基準・指針
- 3.倉庫・工場で重筋作業になりやすい作業とは?
- 4.重筋作業ゼロを実現することは可能?
- 4.1.「人力前提」をやめる/「持たない」が最優先
- 4.2.「運ばないこと」を考える
- 4.3.「持ち上げないこと」を考える
- 5.リフト&ドライブについて
- 6.「リフト&ドライブ」特徴の紹介
- 6.1.特徴1:作業者の身体的負担を軽減する
- 6.2.特徴2:多彩なアタッチメントツール
- 6.2.1.アタッチメントの種類(クリックで展開)
- 6.2.2.アタッチメントは特注製作も可能
- 6.3.特徴3:形状・作業環境に合わせたカスタマイズができる
- 7.導入事例
- 8.まとめ
重筋作業とは

重筋作業とは、重量物の持ち上げや運搬、積み下ろしなど、身体に大きな負担がかかる作業を指して使われる言葉です。
特に倉庫や工場では、重量物の搬送、パレットへの積み替え、ピッキング作業、部品や製品の持ち上げ作業などが該当します。
なぜ重筋作業をなくす必要があるのか
これらの負荷が体にかかりつづけると、腰痛などの身体的負担の増加、労働災害のリスク上昇、作業品質のばらつき、作業者の疲労蓄積、人材確保の難化などの労災・事故の要因につながることが指摘されています。
従来はこの課題を解消したい場合、「重いものを扱える作業者を配置する」考え方が一般的でした。しかし人手不足や高齢化への対応、女性や未経験者の活躍推進などの観点から、現在は誰でも安全に作業できる環境づくりが求められています。
そのため最近では、「重筋作業を改善する」だけでなく、「重筋作業そのものをなくす」という考え方で現場改善を進める企業が増えています。
腰痛対策としても重要
腰痛になりやすい作業の代表格は、荷物の持ち上げや運搬です。
例えば膝を伸ばしたまま重たい荷物を無理に持ち上げて運ぼうとすると、腰に負荷がかかり痛めやすくなります。
30kgの荷物を持ち上げる場合、450kgの負荷が腰にかかると言われています。
持ち上げた荷物の向きを変えるため、傾けたり腰をひねったりすると、さらに腰を痛めてしまうこともあります。
こういった作業が続くと、勤務に支障が出るほどの腰痛を引き起こしてしまうことがあります。
勤務中の腰痛対策には、作業姿勢の見直しやストレッチなど様々な方法がありますが、厚労省からも職場における腰痛予防対策指針が出されています。
考え方として、重量物を持ち上げる回数を減らす、無理な姿勢での作業をなくす、人力による運搬を機械化するなど、腰に負担がかかる作業を減らすなどの根本的な対策が重要です。
重量物取扱いに関する基準・指針
「重筋作業」という言葉そのものに、法律上の明確な定義はありません。
しかし、労働安全衛生の分野では重量物取扱い作業による身体的負担や腰痛予防の重要性が以前から指摘されており、厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」にて、重量物取扱い作業における負担軽減の考え方が示されています。
また、女性の「労働基準規則」では重量物取扱い業務に関する制限も設けられています。
倉庫・工場で重筋作業になりやすい作業とは?
たとえば、次のような作業が代表例として挙げられます。
・パレットへの積み替え作業
荷物を持ち上げて積み替える作業は、重量物の取扱いに加え、中腰姿勢が続きやすいため身体への負担が大きくなります。
・ピッキング作業
フォークリフト等を使わず手で作業している現場もいまだに多くあります。一つひとつの荷物は軽量でも、持ち上げや屈伸動作を繰り返すことで身体への負担が蓄積します。
・重量物搬送作業
製品や部材を人力で運搬する作業は、腰だけでなく肩や膝にも負担がかかります。重いだけではなく、長尺物や大型部品の場合は持ちにくい形状による負担も発生します。
金型など、そのものが重量物を扱う機会も多く、運搬や交換作業そのものが重筋作業にあたるケースがあります。
重筋作業ゼロを実現することは可能?
重筋作業を減らすといっても、その作業をやめられるわけがないじゃないか、と思う人もいるかもしれません。
考え方としては、いきなりゼロにすることを考えるのではなく「人の力だけに頼っていた工程を見直し、必要に応じて機器や設備を活用することで、誰でも安全に作業できる環境づくりを目指していく」ことが重要です。
そのうえで重要な視点として、以下が挙げられます。
「人力前提」をやめる/「持たない」が最優先
重筋労働を減らすうえで最も重要なのは、「どうやって人が頑張るか」ではなく、「そもそも人が持たなくて済む方法はないか」を考えることです。
作業者の熟練度や体力に依存する運用では、安定した改善は実現できません。まずは人力で持ち上げることを前提とした工程そのものを見直すことが重要です。
「運ばないこと」を考える
次に考えたいのが、不要な搬送をなくすことです。
重筋作業の改善は、単に機械を導入することだけではありません。まずは「なぜこの搬送が必要なのか」を見直すことも重要です。
例えば、レイアウトの見直し、保管場所の最適化、動線の短縮、搬送設備の活用などにより、運搬距離や運搬回数を減らせる場合があります。
「持ち上げないこと」を考える
行程上、持ち上げ作業が避けられない場合は、補助機器や搬送機器の活用も検討材料に入ってきます。
例えば、電動リフター、バランサー、昇降装置、搬送支援機器などを活用することで、身体への負担を大きく軽減できる場合があります。
特に重量物を日常的に扱う現場では、こういった製品の導入によって、作業者の負担軽減だけでなく、安全性や作業品質の向上にもつながります。
POINT
重筋作業ゼロを目指すためには、「持たない」が最優先のうえで・重量物の持ち上げを補助する
・搬送作業を省力化する
・無理な姿勢をなくす
・作業者ごとの負担差を減らすといった改善の積み重ねを実践していくことで実現できます。
リフト&ドライブについて
重筋作業を支援することに特化した物流機器として、株式会社ジャロックが提供するリフト&ドライブがあります。
『リフト&ドライブ』はスウェーデンのモジュラー式システムの電動式軽量リフターで、「持ち上げる」「傾ける」など手で行う重筋作業の大部分をサポートし、作業者の作業負荷軽減を可能にします。
多種多様なアタッチメントツールを使うことで、重量物の搬送はもちろんのこと、あらゆる荷物の形状に対応可能。製造現場や物流倉庫での体力作業を軽減し、年齢や性別を問わず長く働き続けられる職場環境構築に貢献します。
「リフト&ドライブ」特徴の紹介

リフト&ドライブの主な特徴を3つ紹介します。
特徴1:作業者の身体的負担を軽減する
リフト&ドライブの特徴の1つ目は、身体的負担を軽減できることです。
掴んで持ち上げる、傾ける、回転させる動作をリフト&ドライブが人に替わって行う事で、腰への負荷が軽減できます。
例えば、60kgのロールをリモコンのスイッチ1つで持ち上げられるため、2人がかりで行っていた運搬作業が1人でできるようになります。
作業者の負担を軽減し、商品の落下や転落の保護、事故のリスク低減にも繋がります。

特徴2:多彩なアタッチメントツール

リフト&ドライブは決まった型がないモジュラー式になっているため、幅や長さ、高さなど要望に合わせた仕様に調整できます。
リフト&ドライブの「手」にあたる部分は、多種多様なアタッチメントツールを組み合わせることで、重量物の搬送はもちろんのこと、箱やロール、袋などのあらゆる荷物の形状に対応可能です。実際の手では運びにくい荷物への対応も可能になります。
アタッチメントの種類(クリックで展開)
①エクスパンド&ターン | |
![]() | ロール原反などの中央の穴に円柱状の芯を差し込み、持ち上げるツールです。 スイッチを押すと、プロング部が自動で適切な圧力になるまで膨らみます。運搬が完了したらエクスパンダーを脱圧しロールの取り外しがスムーズに行えます。 ロールや原反などの重量物の運搬や機械にセットする労力を軽減したいときにおすすめです。 |
②スクイーズ&ターン | |
| 外側から運搬物を挟み込んで、持ち上げや回転を行うツールです。 材料を入れた円筒形の大きな容器を持ち上げたり、機械に投入したりする労力を軽減したいときに便利です。 ドラム缶やロール状の荷物でも人間の身長以上の高さまで上昇させて回転できます。 荷物を保護しながら移動させたい場合は、間にシリコンゴムなどの緩衝材を入れることも可能です。 取り扱う商品ごとに最適な素材を提案してもらえるので、相談してみましょう。 |
③ロールオンプラットフォーム
![]() ![]() | 台座にローラーが付いているツールで、重い荷物を別の作業台に乗せたいときやコンベアに移動させたい場合に便利です。 |
④プラットフォーム | |
| プラットフォームは、重量物を載せて昇降させる一般的なツールです。原料を機械に投入する時、荷物を持ったまま階段を上がると足を踏み外して転倒したり荷物を落とす恐れがあります。 プラットフォームに荷物を乗せて必等な高さまで上げておくことで、運搬物の落下や転倒による怪我などの労災を防ぎます。 |
⑤Vブロック+ターンテーブル | |
| 転がりやすい円筒形の運搬物を、V字型のブロックにセットして回転させるツールです。ロールを乗せて移動し、機械にセットする方向に回転させたい場合に使うと便利です。 |
⑥テレスコピック | |
![]() | リフト&ドライブの上昇高さを延長し、通常より更に高い所に運搬するためのツールです。 高い場所に荷物を持ち上げてセットしたいときに便利です。 例えば、130Pタイプの最大全高2.732mを、3.352mの高さまでストロークを延長させられます。また、 高さ制限のあるドアを通過した後に、高い棚や機械に届くように することも可能です。 |
⑦プロング | |
![]() | ロール状荷物の紙管に水平に伸びた棒状のプロングを挿入し、移動や昇降を行うツールです。プロングの長さは変更が可能です。用途に合わせた長さを検討しますので、ご相談してみてください。 |
⑧フォーク | |
![]() | 2本のフォークに荷物を乗せたり、引っ掛けたりすることで持ち上げて運搬するツールです。 運搬する荷物の形状や重量に従って、四角や丸棒、板状の中から選択でき、幅やフォークの太さも変更できます。 パレット、コンテナやボックス型の荷物の運搬も可能です。 |
⑨プラットフォームスケール | |
![]() | 荷物の重量や部品の数を計測し運搬するツールです。 リフターを水平な場所で固定させ電源をオンにして、「軽量モード」または「係数モード」を選択すると計測が開始されます。 重量や個数を測りながら持ち上げ運搬を行うことで、はかりに載せ換えるといった計測の手間が省けます。 |
アタッチメントは特注製作も可能
アタッチメント部分は、顧客の要望に合わせて特注での製作も可能です。
例えば荷物をカートごとに持ち上げるツールやタイヤ交換、バケツの持ち上げ回転に適したツールなど様々です。
荷物の形状、重量、上昇高さなどの条件を提示して、ご相談ください。
>>相談フォームはこちら

特殊なアタッチメントの例
特徴3:形状・作業環境に合わせたカスタマイズができる
アタッチメント部分のほかにも、作業者の身長に合わせたハンドルバーの高さ調整などが可能です。すべてのモデルには挟み込みのリスクや転倒を防ぐための安全クラッチが実装されているため、安心して使えます。
どのような仕様にしたらよいかわからない場合は、現在ネックになっている作業の詳細をご相談いただければ、ジャロックから顧客のニーズに合わせた提案をいたします。
ご相談フォーム:https://www.jaroc.com/contact |
※希望の仕様がある方は、決定している範囲で結構ですのでこちらのヒアリングシートをダウンロード・お書き添えのうえご連絡頂きますとスムーズです。
重筋作業の負担軽減や職場環境改善についてもっと詳しく知りたい方は、関連記事もあわせてご覧ください。
導入事例

ここからは実際にリフト&ドライブを導入いただいた企業様の事例を紹介します。
case.1 製品開発、販売業
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10キロから20キロのダンボールの持ち上げに苦労していました。
上の階層への積み込みは、垂直搬送機やフォークリフトなどの利用が必要なため、フォークリフト免許を持っている人にしか任せられませんでした。
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リフト&ドライブを導入後、リフトの免許を所有していないパートの女性でも簡単に操作ができて、昇降機を導入するコストが削減できました。
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仕様 | 導入時期 | 参考価格 |
130P テレスコピック、 プラットフォーム | 2021年5月 | 150~160万円 |
case.2 粘着加工業
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30キロから60キロあるロール状の原反をダンボールからピッキング後、作業台に載せるのに労力がかかっていました。
作業員2名での対応が必要なことも課題でした。
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実機レンタル中に誰でも1人で作業ができるようになったため2台導入しました。
ロール以外の形状を運搬するときにも利用しています。
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仕様 | 導入時期 | 参考価格 |
90P エクスパンド&ターン、 ロールオンプラットフォーム | 2021年10月 | 約280万円 |
case.3 加工製品の研究開発、製造および販売業
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ダンボールを持ち上げて、高い位置に積む作業をするために導入しました。
作業は男性しかできないことが課題でした。
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導入前は男性しかできませんでしたが、導入後は女性でも重量物の移動や製品の積み込みができるようになりました。
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仕様 | 導入時期 | 参考価格 |
90P ロールオンプラットフォーム、プラットフォーム | 2021年6月 | 本体2台で約250万円 |
まとめ
重筋労働は、腰痛や労働災害の原因となるだけでなく、人手不足や高齢化が進む現在の工場・倉庫において大きな課題となっています。
重要なのは、作業者の努力に頼るのではなく、「持たない」「運ばない」「持ち上げない」という考え方で作業そのものを見直すことです。
重筋労働ゼロを目指した現場改善は、作業者の負担軽減だけでなく、安全性や生産性の向上にもつながります。まずは現場にどのような重筋作業が存在しているのかを整理し、改善できる工程がないか見直してみてはいかがでしょうか。
ジャロックでは物流現場のさまざまな課題解決を可能にする運搬器具を展開しています。
安全性・作業効率に課題をお持ちの担当者様は、ぜひ一度ジャロックまでお問い合わせください。
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