
いま垂直搬送で簡易リフトが注目されている理由とは?法改正の内容と導入検討のポイント
「荷物を1階から2階へ上げ下ろしするのが大変…」
物流現場や製造現場の一部では欠かせないものとなっている昇降機。
上記のようなお悩みを高いコストパフォーマンスで効果的に解決できる製品として、現在、簡易リフトに再び注目が集まっています。
実は以前、簡易リフトは「設置できない」とされていた時期があったのですが、2025年11月の法改正によって再び設置可能となりました。
本コラムでは、簡易リフトの基礎知識から、転換点となった法改正の詳細、そして「垂直搬送」ソリューションの最新動向まで、2026年の最新情報に基づき徹底解説します。
目次[非表示]
- 1.そもそも「簡易リフト」とは?―荷物用エレベーターとの違いを解説―
- 2.【2026年】簡易リフトの法改正で何が変わった?
- 2.1.建築基準法の「二重規制」が解消
- 2.2.労働安全衛生法における「簡易リフト」の定義(2026年)
- 2.3.【重要】簡易リフトには人は乗れない
- 2.4.簡易リフトを設置できる場所・できない場所
- 2.5.既存の「違法リフト」はどうなる?
- 2.6.その他の注意
- 2.6.1.・安全な運用に関する配慮
- 2.6.2.・条件を満たしている=即時に簡易リフトとはされない
- 3.簡易リフト導入のメリットと活用例(工場・倉庫)
- 3.1.低コスト・短納期で導入可能
- 3.2.ジャロックの簡易リフト「Jリフター」活用例
- 3.2.1.・プラットフォームの昇降にも
- 3.2.2.・保管システムとの連携も可能
- 4.簡易リフトを導入するには?問い合わせ時のポイント
- 4.1.設置の際に必要な情報を確認
- 4.1.1.・テーブルリフトの場合は?
- 4.1.2.・垂直搬送機は簡易リフトとは違う?
- 5.まとめ:簡易リフト導入はジャロックへご相談ください
そもそも「簡易リフト」とは?―荷物用エレベーターとの違いを解説―
倉庫や工場の現場では「リフト」「エレベーター」「昇降機」といった言葉が混同されがちですが、建屋に設置するタイプの昇降機(固定式昇降機)には明確な定義と区分があります。

固定式昇降機は主に上記の「エレベーター」「ダムウェーター(ホテルや飲食店などで使われている小荷物専用昇降機)」「簡易リフト」などが挙げられます。
簡易リフトはこのうちダムウェーターと同じく荷物専用の昇降機として分類され、規格も他の昇降機と異なります。
一方、エレベーターは人が乗る可能性があるため、仕様面で非常に厳しい安全基準を求められます。
簡易リフトに対する二重規制とは(~2025年10月)
簡易リフトを含む昇降機を規律する法律は、労働者の安全を守るための「労働安全衛生法」と、建築物の安全性および利用者の安全を守るための「建築基準法」という2つの法令で主に定められてきました。
これらは別々の機関によって制定されており、昇降機の基準や規制内容も微妙に異なるものが規定されています。設置時の手続も労働基準監督署への設置届提出と特定行政庁(建築主事)への確認申請を別々に行わなければなりませんでした。
国土交通省による簡易リフト緊急点検指示と是正指導(2012年)
この「法の二重規制」は、使用者の間でもあまり周知されていませんでした。労働安全基準法(労働基準監督署)の条件を満たしていれば良いと思い込んでいた事業者が多く、建築基準法基準では実は違法な仕様だったり、管轄している特定行政庁への確認申請をしないまま稼働していたりしたものが多くありました。
2012年に埼玉県上尾市の工場で従業員が2階から簡易リフトへ誤って転落して死亡する事故が発生したことを機に、国土交通省が全国で緊急点検を行った結果、多くの簡易リフトが先のような「建築基準法の確認申請を経ていない事実上の違法設置エレベーター」であることが判明します。
国土交通省はこれを受け、「違反ありとされたものに対する速やかな是正指導を行うこと」とし、多くの簡易リフトは「建築基準法にも適合したエレベーターへ改修する」か「使用停止・撤去する」の選択を迫られることになります。
しかし、改修には大きなコストがかかるため、結果として違法状態のまま運用されるケースも少なくありませんでした。
【2026年】簡易リフトの法改正で何が変わった?
その流れが変わったのが2025年11月1日に施行された「建築基準法施行令の一部改正」です。これは、長年業界の課題だった「二重規制」を解消する画期的な改正でした。
建築基準法の「二重規制」が解消
これまでは、工場や倉庫に設置する昇降機であっても、サイズや構造によっては「建築基準法上のエレベーター」とみなされ、建築確認申請や非常に厳しい構造基準が求められていました(これを満たさないリフトは違法とされていた)。
しかし今回の改正により、以下の条件を満たす簡易リフトは、建築基準法の「エレベーター」および「小荷物専用昇降機」の規制対象から除外されることになりました。
これにより、「グレーゾーン」あるいは「設置不可」とされていた簡易リフトは、労働安全衛生法(クレーン等安全規則)さえ守れば、建築基準法の手続きなしで堂々と設置できるようになりました。これが今回の法改正で大きく変わった点です。
労働安全衛生法における「簡易リフト」の定義(2026年)
労働安全衛生法で定められている「簡易リフト」は、具体的には以下の規格に収まるものを指します。
【条件】
|

このサイズ感は、ちょうどカゴ台車1台やパレット1枚を運ぶのに適した大きさです。これを超えるサイズになると労働安全衛生法上は規格外となり、建築基準法上のエレベーターとして扱われるため、簡易リフトとしての運用はできなくなります。
【重要】簡易リフトには人は乗れない
「簡易リフト」の最大の特徴かつ絶対のルールは、「人は絶対に乗れない」です。
エレベーターのような人が乗るための安全装置(カゴ内操作盤や非常止め装置など)の基準が異なるため、法律で厳格に禁止されています。
もし「荷物と一緒に人も移動したい」というニーズがある場合は、必ず「乗用・荷物用エレベーター」を選択して関連の規制を遵守する必要があります。
簡易リフトを設置できる場所・できない場所
今回の法改正でもうひとつ注意すべき点が、どこの事業所でも設置できるわけではないという点です。
今回の規制緩和は、あくまで「工場や倉庫などの事業場」が対象です。
設置OK(規制緩和対象) | 設置NG(従来通り建築基準法も適用) |
|---|---|
・製造工場、加工場 | ・飲食店、カフェ |
例えば、「飲食店のバックヤードで食材を運びたい」といった場合は、かごの大きさが規格内でも「ダムウェーター(小荷物専用昇降機)」扱いになる可能性が高いので注意が必要です。
既存の「違法リフト」はどうなる?
今回の法改正は、「すでに設置されている簡易リフト」にも適用されます。
これまで「建築確認を取っていない」という理由だけで、是正指導(使用停止や撤去)の対象となっていたリフトであっても、以下の手続きを行うことで、建築基準法の定期検査報告対象から除外され、実質的に「適法」な状態にできる可能性があります。
- 手続き方法: 特定行政庁に対し、「簡易リフト自己申告書」または「設置報告書の写し」を提出する。
「昔設置したリフトが法律的に大丈夫か不安…」という方は、設置先の自治体か、専門の業者までご確認下さい。
その他の注意
・安全な運用に関する配慮
簡易リフトは「設置先」「カゴの大きさ」以外に明確に追加された規格条件はなく、禁止されているとはいえ、カゴの中に人が立ち入れる構造になっている点は注意が必要です。
今回の法改正は人命に関わる事故を容認しているわけではなく、産業界の強い要請を受けて不必要・非合理な過剰規制を緩和しようという趣旨で行われています。実際に運用するうえでは別途安全に配慮した環境設計が必要です。
安全なリフトをお求めであれば、スライドリフター(垂直搬送機)がおすすめです。詳細は以下のコラムをご覧下さい。
・条件を満たしている=即時に簡易リフトとはされない
労働安全衛生法の簡易リフトの規格は、法改正後も実は建築基準法における「エレベーター」の規格と重複する部分があります。
この場合、そのリフトが簡易リフトとされるか、エレベーターとされるかは自治体の判断にゆだねられている場合があります。
エレベーターとされた場合、法定点検が義務化され、意図しないランニングコストがかかる(※後述)可能性がありますので、設置を検討する際は必ず申請することを前提に、あらかじめ設置先の自治体、または専門業者までご相談いただくのが最適です。
簡易リフト導入のメリットと活用例(工場・倉庫)
では、簡易リフトを導入することで具体的にどのようなメリットが現場にもたらされるのでしょうか。ジャロックならではのソリューションと合わせてご紹介します。
低コスト・短納期で導入可能
導入コストや手続きの違いを理解するために、代表的な3つの昇降機を比較してみましょう。
| 項目 | 簡易リフト |
荷物用エレベーター |
小荷物専用昇降機 |
| 適用法律 | 労働安全衛生法 |
建築基準法と |
建築基準法 |
| 人の搭乗 | 不可(厳禁) | 可(荷扱者のみ) | 不可 |
| 導入コスト | 低~中 | 高 | 低 |
| 設置工事 | 比較的簡易 (電源工事、ピット設置程度) |
大掛かり (昇降路構築等) |
簡易 |
| 設置後の届出 | 特定行政庁:原則不要 労働基準監督署:必要 |
両方必須 | 必須 |
| 法定点検 | 任意 (自主点検は推奨) |
必要 | 必要 |
上記の表で比べると、簡易リフトは「人は乗れない代わりに、コストを抑えてスピーディーに導入できる」というポジションにあります。
他の昇降機よりも確認申請や定期点検にかかる時間と費用が削減できる点が大きな導入メリットです。 また、建築基準法仕様の堅牢な設備を構築する必要がないため、本体価格だけでなく工事費も含めたトータルコストを大幅に抑えることができます。
ジャロックの簡易リフト「Jリフター」活用例
ジャロックの「Jリフター(簡易リフト)」は、リフト導入前のご相談からお客様のニーズに合わせた設計、アフターサービスまで一括で対応可能です。

・プラットフォームの昇降にも
昇降が必要な場所は庫内に限りません。搬入出口の段差に不便さを感じたことはありませんか?こういった場所でも簡易リフトは活躍できます。

・保管システムとの連携も可能
簡易リフトはユニットメザニンラックなど、二層式のラックの荷物昇降にもご使用いただけます。
昇降機を設置する目的が「作業効率の向上」である場合、単体の設置だけでなく、倉庫全体のレイアウトじたいの変更を考えなければいけないケースがあります。
ジャロックではそういったお悩みにも数多く答えてきた実績があり、運用方法や現場レイアウトも含めた総合的なソリューション提案を行うことができます。アフターサービス含め、これらをワンストップで提案できるのが他のリフトメーカーと一線を画すジャロックの強みです。
簡易リフトを導入するには?問い合わせ時のポイント
「導入したい!」と思ったその時に、失敗しないためのチェックポイントをまとめました。
設置の際に必要な情報を確認
まずは、運びたい荷物と設置場所に合わせて仕様を決定します。
確認すべき項目:
- 荷物サイズ: 幅×奥行×高さ(カゴ内寸1㎡以下、高さ1.2m以下に収まるか?)
- 積載荷重: 最大何kgの荷物を載せるか?(Jリフターは250kg~対応可能)
- 揚程: 何メートル上げる必要があるか?(最大30mまで対応)
- 電源: 3相200Vの電源確保が必要です。
必要事項が記入できるように、ジャロックではヒアリングシートを用意しています。ご希望の仕様がある場合は、お気軽にお問い合わせ下さい。
※用意しなくてもお問い合わせ可能です。こちらのページよりアクセスください。
・テーブルリフトの場合は?
いわゆる「テーブルリフト」においても、簡易リフトの規格内であれば設計対応いたします。(ただし、仕様面で条件あり)詳しくは弊社までお問い合わせください。
・垂直搬送機は簡易リフトとは違う?
垂直搬送機も人が乗れない固定昇降機のひとつですが、人がカゴ内に立ち入れない設計になっており、簡易リフトとは構造が異なります。
簡易リフトと同様に確認申請が不要で、点検が任意のみなことがメリットな一方、導入に必要な床面積やコストは簡易リフトより大きいため、用途に応じて選択するのが最適です。詳しくは下記コラムをご覧ください。
まとめ:簡易リフト導入はジャロックへご相談ください
2025年11月の規制緩和により、工場・倉庫における簡易リフト導入のハードルは大きく下がりました。
株式会社ジャロックは、単なる機器の販売にとどまらず、「自社の荷物に最適なスペックか」「法令(労働安全衛生法)内の規格で設計できるか」といった視点で、現場の課題解決を第一に考えたホンモノの物流改善をご提案します。
「うちの倉庫に設置できるか見てほしい」
「ラックの入替・増設と昇降機をセットで導入して保管効率を上げたい」
「古いリフトの法適合について相談したい」
このようなお悩みをお持ちの方は、専門スタッフが現地調査から設計・施工・メンテナンスまでトータルでサポートいたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
★倉庫レイアウト、熱中症対策、物流業務効率化など、60年の実績でトータル対応します
問い合わせリンク:https://www.jaroc.com/contact |







